2014年 03月 05日
Cash for Food !! |
被災文書は、日々状況が悪化
タクロバンでの復旧作業は、まだ停電地域が広域で残っている、建物の再建資材が不足している、自己資金に頼らざるを得ないなど、苦労は山積している。
スーパー台風で濡れてしまった原簿・重要文書の状況は日ごとに悪化している。
たとえば、昨日訪ねた裁判所の山積みされた被災永久保存文書の1冊を開くと、おびただしい数のアリが、巣を作り始めるなど、乾燥だけの問題ではなくなってきている。
当初から支援している国家土地庁LRAの現状は、手作業での自然乾燥で4万タイトルの土地登記簿の応急処置・乾燥をほぼ終えたが、外気の湿度が高いため安心できる乾燥状態に到達できないでいる。このため、マニラから密閉プラ容器とシリカゲルをタクロバンに搬送し、シリカゲルで乾燥を促進していくことを進める予定だ。(ただ、湿気の状態を示す「青」のインジケータがフィリピンで入手できず、交換のタイミングが判定できないでいる。) 簿冊となった申請台帳の乾燥作業はこれからだ。 収蔵庫内のカビの繁茂に拠る、スタッフへの健康問題も懸念される。
その一方で、被災文書の救済に関しては、徐々に様々な新しい動きが出てきている。マニラでの中央政府機関への情報発信により、歓迎する事、驚愕する事、今後につながる事が動きとなってきている。
フィリピン・マニラでの印象は、インドネシアより「頭でっかち」「No action, Talk only(NATO)」という印象が強い。ことに、タクロバンにおいて20以上の役所から被災公文書の救済要請が出ていることを考えると、フィリピン国立公文書館の動きには首をかしげる。被災エリア全域で被災状況調査を行うとするものの具体策が見えないこと、また、復旧業務で忙しい被災役所の長をタクロバンでは望ましい会議が出来ないとの説明で、マニラに招集して会議を3月27日に予定するなど、作業量の過多に悩む現場に負担を増やすことに、どれだけ現場の長が応じるか…、様子をみたい。
これまで、日本の支援する会による被災文書救済活動は、主としてレイテ島州都タクロバンに集中させてきた。だが、スーパー台風Yolandaの被害は、タクロバンに限定されず広域で生じたことを気にしていたが、他地域からの情報やSOSは直接なかったことから対象とはしてこなかった。
そのような思いのところに、突然、パナイ島のイロイロから、大事な歴史文書が数か所で被災しており、日本の専門家の支援を打診してきた。支える会の財政は厳しいが、現地側で急遽調査費用の幾分かでも用意できるならば、フィリピン側の支援体制を拡充させていく必要から、現地入りを受諾する方向で考えている。
冒頭で書いたように、少しでも救済作業を具体的に急がないと、不幸な「大規模な人災」がスーパー台風Yolanda被災地で起こることとなる。
何としても、タクロバンが「大規模な人災」の新たな被災地とならないように、支援を急ぎお願いしたい。
いくつかの被災役所で始まっている被災者支援の「Cash for Food」という事業で雇用され、被災文書の乾燥を促進しているところもある。このような被災者支援として、文書の乾燥を促進できることは、従前の発想を一変させる上からも望まれる。
膨大な資金を要するCash for Foodで得られるお金は、数日の食費で消えてしまい、被災者の再建には役立っていない、という意見もあり、支援の在り方は常にチャレンジを続けなければならないようだ。
<3月6日午後1時時点で、補足書き換えを行った。>
タクロバンでの復旧作業は、まだ停電地域が広域で残っている、建物の再建資材が不足している、自己資金に頼らざるを得ないなど、苦労は山積している。
スーパー台風で濡れてしまった原簿・重要文書の状況は日ごとに悪化している。
たとえば、昨日訪ねた裁判所の山積みされた被災永久保存文書の1冊を開くと、おびただしい数のアリが、巣を作り始めるなど、乾燥だけの問題ではなくなってきている。
当初から支援している国家土地庁LRAの現状は、手作業での自然乾燥で4万タイトルの土地登記簿の応急処置・乾燥をほぼ終えたが、外気の湿度が高いため安心できる乾燥状態に到達できないでいる。このため、マニラから密閉プラ容器とシリカゲルをタクロバンに搬送し、シリカゲルで乾燥を促進していくことを進める予定だ。(ただ、湿気の状態を示す「青」のインジケータがフィリピンで入手できず、交換のタイミングが判定できないでいる。) 簿冊となった申請台帳の乾燥作業はこれからだ。 収蔵庫内のカビの繁茂に拠る、スタッフへの健康問題も懸念される。
その一方で、被災文書の救済に関しては、徐々に様々な新しい動きが出てきている。マニラでの中央政府機関への情報発信により、歓迎する事、驚愕する事、今後につながる事が動きとなってきている。
フィリピン・マニラでの印象は、インドネシアより「頭でっかち」「No action, Talk only(NATO)」という印象が強い。ことに、タクロバンにおいて20以上の役所から被災公文書の救済要請が出ていることを考えると、フィリピン国立公文書館の動きには首をかしげる。被災エリア全域で被災状況調査を行うとするものの具体策が見えないこと、また、復旧業務で忙しい被災役所の長をタクロバンでは望ましい会議が出来ないとの説明で、マニラに招集して会議を3月27日に予定するなど、作業量の過多に悩む現場に負担を増やすことに、どれだけ現場の長が応じるか…、様子をみたい。
これまで、日本の支援する会による被災文書救済活動は、主としてレイテ島州都タクロバンに集中させてきた。だが、スーパー台風Yolandaの被害は、タクロバンに限定されず広域で生じたことを気にしていたが、他地域からの情報やSOSは直接なかったことから対象とはしてこなかった。
そのような思いのところに、突然、パナイ島のイロイロから、大事な歴史文書が数か所で被災しており、日本の専門家の支援を打診してきた。支える会の財政は厳しいが、現地側で急遽調査費用の幾分かでも用意できるならば、フィリピン側の支援体制を拡充させていく必要から、現地入りを受諾する方向で考えている。
冒頭で書いたように、少しでも救済作業を具体的に急がないと、不幸な「大規模な人災」がスーパー台風Yolanda被災地で起こることとなる。
何としても、タクロバンが「大規模な人災」の新たな被災地とならないように、支援を急ぎお願いしたい。
いくつかの被災役所で始まっている被災者支援の「Cash for Food」という事業で雇用され、被災文書の乾燥を促進しているところもある。このような被災者支援として、文書の乾燥を促進できることは、従前の発想を一変させる上からも望まれる。
膨大な資金を要するCash for Foodで得られるお金は、数日の食費で消えてしまい、被災者の再建には役立っていない、という意見もあり、支援の在り方は常にチャレンジを続けなければならないようだ。
<3月6日午後1時時点で、補足書き換えを行った。>
by philia_kyoto
| 2014-03-05 23:49
| タクロバン・レポートTacloban R